「ダウンロード違法化」が不可避に――12月18日に開かれた、「私的録音録画小委員会」（文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会内）で、「著作者に無許諾で動画や音楽をアップロードしたサイト（以下「違法サイト」）からのダウンロード（※注：「ニコニコ動画」「YouTube」などでのストリーミング視聴は含まない）を、著作権法30条で認められた「私的使用」の範囲から外し、「違法サイトと知ってダウンロードした場合は違法とする」という方向性がまとまった。 (「ITmedia News」より)


　どう思いますか？ 私の意見ですけどね、これはどうかしてますよ。失礼を承知で言わせていただきますが、話し合った方々は皆さん相当の間抜けですよ。

　 「ニコニコ動画」にしろ「YouTube」にしろ、ダウンロードしていることに違いはないんですよ？ なのにOKなんですか？ それはストリーミング視聴だからというんでしょうか。そうだとして、それらのサイトから自分のPCにダウンロードすることができるサイトやアプリケーションはどうなるんですか？ これらを使用した場合でも「ストリーミング視聴だからOKです」ということになるんでしょうか？ そこで「いや、それ(＝自分のPCに落とす行為)は違法だ」というなら、インターネット一時ファイルのフォルダから取り出すのはOKなんですか？ 結局のところ前述のサイトなどと同じことをしてるんですが。そして一番の問題は、「そういったサイトはOK」ということは、「それらのサイトなら著作物でもアップロードしてよい」と言ってるようにもとれるということです。だってそうでしょう？ P2PソフトはダメでもYouTubeはよい、つまり後者なら自由にアップロードしてよい、そうとれますよね？ もうわけがわかりません。これは間抜けを通り越してます、「脳なし」と称するべきでしょうか。

　などと書きましたが、私はこの違法化に同意することはできませんね。だからといってどうこうなる問題ではないんですが…。得てして、規制が厳しくなるとそれに対して何らかのアクションを起こす人が現れる、とりわけ良くない(と規制する側が考える)アクションを。

　法に触れるか否かギリギリのラインでアップロードしたりダウンロードしたりする人も出てくるでしょう。「当サイトに登録すれば、音楽・動画のダウンロードが合法で行えます」などと言った文句で架空請求しようとする人も出てくるかもしれません。

　何より、現状を悪いものだと考えすぎているような気がしてなりません。違法なアップロードがなされていても、DVDやCDなどを、買う人は買うんですよ。私もその一人です。そして、そういう人は決して少なくない。現状としては、そのような人とそうでない人、あるいはどちらでもある人、そういった人が混在している状態で、ある意味で(その良し悪しは別として)落ち着いているとも言えるのではないでしょうか？ この均衡が崩れて、たちどころに状態が悪いほうへ偏っていったとしたら…。まぁそう簡単にそのようなことにはならないでしょうけど。

　結局のところ何が言いたいかというと、規制すればいいと考えているんじゃないか、ということです。その前に違法なアップロードを何とかするべきなんじゃないでしょうか？ そうすればダウンロードに対する規制など必要なくなります。まぁ口で言うほど簡単ではないということは百も承知ですけど。

　とにかく、今回の「ダウンロード違法化」は良い結果を生むものとなるとは思えませんね。